FX取引でリスクを上手く管理し、市場を効果的に攻略するには、両建て取引の知識が欠かせません。
XMでは、両建て取引に特有のルールとメリットがあります。
この記事では、XMでの両建て取引の基礎、推奨される口座と手法、注意すべき点について詳しく説明します。
XMで両建て取引を上手に活用し、賢い取引戦略を身につけましょう。
XMで両建て取引は可能!
XMでは両建て取引が可能です。
しかし、両建てに関してはさまざまルールが設けられています。
ルールを破ると出金拒否や口座凍結などの措置がとられるため、注意しなくてはなりません。
まずは、XMの両建てに関する基本情報を確認していきましょう。
「両建て取引」とは?
両建てとは、同じ銘柄に対して同時に「買い」と「売り」のポジションを持つ取引手法です。
通常、FX取引では、買いポジションか売りポジションのどちらかを持ち、通貨ペアの価格差で利益を目指します。
しかし、両建てを使うと、価格変動があっても利益と損失が相殺されるため、市場の予測が難しい時にリスクを避けることができます。
例えば、USD/JPYの通貨ペアで考えてみましょう。
レートが1ドル140円から130円、そして120円へと変動したと仮定した場合、10万ドルの買いポジションのみを持っていると、含み損益は以下のようになります。
含み損益 = {(130 – 140) + (120 – 130)}円/ドル × 10万ドル = -200万円
しかし、レートが1ドル130円の時に10万ドルの売りポジションを加えて両建てをすると、含み損益は以下のようになります。
含み損益 = {(130 – 140) + (120 – 130) + (130 – 120)}円/ドル × 10万ドル = -100万円
この例では、両建てをすることで損失を減らすことができています。
つまり、両建ては市場の動きが読みにくい時にリスクを抑える戦略として有効というわけです。
XMは同一口座内での両建て取引のみ可能
XMでは、一つの口座内での両建て取引が許可されています。
しかし、異なる口座や他の業者を使った両建て取引は基本的に禁止です。
もし、意図せずこのような取引を行ってしまった場合、口座の凍結や利益の取消しなどのペナルティが生じることがあります。
特にFX初心者の方は、知らず知らずのうちに禁止されている取引をしてしまうことがあるので注意してください。
XMで取引を行う際には、両建て取引に関する禁止事項を事前に確認して、規約違反を避けるようにしましょう。
ブローカーによっては両建て禁止のケースもある
多くの海外FX業者(XMを含む)は両建て取引を禁止しています。
これは、ゼロカットシステムの悪用を防ぐためです。
ゼロカットシステムとは、トレーダーの口座残高を超える損失が発生した場合、業者がそのマイナス分を補填し、口座残高をゼロに戻すサービスです。
ゼロカットシステムを利用すると、トレーダーがXMの2つの異なる口座で売りと買いのポジションを持つことができます。
そのゆえ、価格変動があった際に、一方の口座で得た利益と他方の口座の損失(ゼロカットで補填される)の差額をリスクなしで得ることが可能になります。
ゼロカット悪用によるブローカー側の損失を防ぐために、両建て取引は禁止されているのです。
XMで禁止されている具体的な両建て取引
XMで禁止されている両建てには下記の3つがあります。
それぞれ詳細な内容について確認していきましょう。
XM内の複数口座間での両建て取引
XMでは、同一ユーザーの異なる口座間での両建て取引は禁止されています。
XMでは一人で最大8つの口座を開設できますが、これらの口座を使って売りと買いのポジションを同時に持つことは規約違反です。
特に、複数の口座で多くのポジションを管理している場合や、EA(自動売買システム)を使用している場合、気づかずに両建て取引をしてしまうことがあるので注意しましょう。
XMと他FX業者口座を使った両建て取引
XMでは、XMの口座と他のFX業者の口座を使った両建て取引も禁止されています。
国内外のFX業者に関わらず他業者の口座を使った両建て取引は禁止です。
複数のFX業者を利用している場合は、無意識に両建て取引をしてしまわないよう注意が必要です。
XMが使用するMT4やMT5などの共通取引プラットフォームでは、異なるFX業者間でも取引履歴や顧客情報の確認が可能です。
そのため、XMの口座と他業者の口座で両建て取引を行うと、XMは簡単にその取引を把握できます。
他のFX業者での取引だからといって安心せず、禁止されている取引を行うとペナルティを受ける可能性があるので、この点には特に注意しましょう。
複数人で協力した組織的な両建て取引
XMでは、複数の人が連携して行う両建て取引も禁止されています。
たとえば、ある人が一つの口座で買いポジションを持ち、別の人が別の口座で売りポジションを持つような場合が該当する取引です。
上記のケースでは複数の口座を使った両建て取引となり、ゼロカットシステムを不正に利用することができてしまいます。
ただし、偶然に友人と反対のポジションを持つ程度では問題ありません。
不自然な利益が発生している場合など、XMが組織的な両建て取引と判断した場合、利益の取消や口座の凍結などのペナルティが適用されることがあります。
XMで両建て取引を行うメリット
「口座凍結や出金拒否などのリスクを考えると、そもそも両建て自体をやめておいたほうがいいのでは?」と考える方もいることでしょう。
しかし、両建ては取引のリスクを減らし、利益を拡大できる明確なメリットがあるのです。
XMで両建て取引を行う具体的なメリットは下記の通りです。
それぞれ詳しい内容を確認していきましょう。
XMで両建てをすれば必要証拠金が0円になる
XMでは、FX通貨ペアや金(ゴールド)、銀(シルバー)に関して、同一口座内で同じロット数の両建て取引を行うと、そのポジションに必要な証拠金は「0」(ゼロ)になります。
他のFX業者では両建て取引に証拠金が必要なことが多いですが、XMではこのような取引で証拠金は不要です。
これにより、証拠金に余裕が生まれ、市場が不利な状況になっても証拠金を維持しながらポジションを保持できるので、強制ロスカットの回避や最適なタイミングでの損切りが可能です。
ただし、証拠金不要のルールは同ロットでの両建て取引に限られます。
異なるロット数での両建て取引では、証拠金が必要になるので注意しましょう。
また、FX通貨ペア、金、銀以外の銘柄に関しては、同ロット数の両建てポジションを持っても証拠金はゼロになりません。
この場合、買い注文または売り注文のどちらか一方のみの証拠金が必要です。
ポジションを決済せず今後のトレンドを様子見できる
XMでは、同一口座内で両建て取引を行うことにより、ポジションを決済せずに市場のトレンドを観察することが可能です。
たとえば、既に保有しているポジションで利益が出ている場合、反対のポジションを取ることでリスクなしに市場の動向を見守り、最適なタイミングで利益を確定できます。
トレンドが続きそうなら一方のポジションを維持し、トレンドが終わりそうなら両方のポジションを決済すれば、強制的なロスカットを避け、損失を最小限に抑えつつ利益を最大化することができます。
相場状況に合わせた取引手法を使い分けできる
XMでは、市場のトレンドに応じて、異なる保有期間の取引戦略を同時に実行することができます。
例えば、長期的なポジションを維持しつつ、短期的なポジションも同時に保有することが可能です。
スイングトレード、デイトレード、スキャルピングなど、様々な取引スタイルを組み合わせることで、より大きな利益を目指すチャンスが広がります。
XMポイント(XMP)を往復分獲得可能
XMでは、「XM ロイヤルティプログラム」という特典を提供しており、取引をするたびにボーナスや現金に交換可能なXMP(XMポイント)が貯まります。
スタンダード口座やマイクロ口座を使っている場合、両建て取引を行うことで往復の取引に対してXMポイントを獲得できます。
ただし、XMポイントを目的とした意図的な両建て取引は規約に反するため、この点には注意が必要です。
強制ロスカットを防げる
XMでの両建て取引の大きな利点の一つは、強制ロスカットを避けられることです。
XMでは、両建て取引を行うと証拠金が0円になるため、ロスカットのリスクがありません。
通常、XMでは証拠金維持率が20%を下回った場合、強制的にロスカットされますが、両建て取引をすればこの心配は不要です。
ロスカットレベルとは、未決済ポジションが自動的に決済される有効証拠金レベルを意味します。 取引口座の有効証拠金が必要証拠金の20%以下になると、顧客口座のロスカットレベルに達します。
XM公式サイト
ただし、これはロスカットを防ぐ一時的な対策であるため、長期的な戦略としては適していないことには注意しておきましょう。
XMでの両建てのやり方
両建ては保有しているポジションの反対注文を行うことで成立します。
具体的な手順は下記の通りです。
MT4/MT5の画面左の気配値を開きましょう。
気配値ウィンドウの通貨ペアを選択し右クリックし、「新規注文」を選択してください。
「新規注文」をクリックすると注文画面が表示されます。
注文画面にて「成行売り」「成行買い」を選択しましょう。
先ほど注文した通貨ペアと反対のポジションを注文します。
これで両建ては完了です。
両建ての解除(決済)方法
両建ての解除はそれぞれのポジションを決済することで完了します。
具体的な手順は下記の通りです。
まずは決済するポジションを選択します。
選択をしたら右クリックしたのち、表示されたウィンドウにて「注文変更または取り消し」をクリックしてください。
まずは「注文種別」のウィンドウを開いてください。
開いた選択画面の中から「両建て解除:通貨ペアを指定」を選択しましょう。
「両建て解除:通貨ペアを指定」を選択したら、決済する通貨ペアを再度選択しましょう。
次に「複数決済」をクリックし、ポジションが決済されたか確認してください。
これで両建ての解除(決済)は完了です。
XMで両建てする時のおすすめ手法
XMで両建てをするなら、下記2つの手法がおすすめです。
それぞれ詳しいやり方をご紹介します。
つなぎ売りでリスクヘッジをする
つなぎ売りは保有している資産の価値が短期間で下落すると予想される場合、その資産に対して売りポジションを取ることで、価値の下落による損失を相殺しようとする手法です。
両建てを使用する最も王道な手段であり、相場が大きく動く可能性がある時のリスクヘッジとして役立ちます。
例えば、重要な経済指標の発表があり、相場が不安定になりそうな時に、持っているポジションを保持したい場合に有効です。
つなぎ売りを使えば、現在の利益を維持しつつ、両建てによって指標発表による損益を相殺することができ、相場が落ち着いたら、両建てを解除して通常の取引に戻ることも可能です。
ただし、指標発表時のエントリーや両建て解除のタイミングは難しいので注意しましょう。
両建てで課税タイミングを遅らせる
両建て取引を利用することで、リスクをヘッジしつつ、課税のタイミングを遅らせることが可能です。
FXでは、ポジションを決済した時点で課税されますが、ポジションを保有しているだけでは課税されません。
例えば、12月に税金を払いたくないが利益確定もしたくない場合、年末の市場変動による潜在的な損失リスクも避けたいときにこの戦略が役立ちます。
ただし、この方法は税務上の注意が必要です。
継続的に利益を出している場合、税務当局の注目を集め、最終的には発覚する可能性があるため、慎重に行う必要があります。
XMで両建てするならKIWAMI極口座がおすすめ
XMのKIWAMI極口座は、スワップフリーでスプレッドも狭いため、両建て取引に最適です。
スワップフリーとは、ポジションを翌日に持ち越しても、通常発生する金利差調整費(スワップポイント)が免除されることを意味します。
スワップフリーにより、両建て取引を行う際、日々のマイナススワップを気にする必要がなくなります。
両建て取引では、買いポジションと売りポジションを同時に保有するため、通常はスワップポイントの影響を受けやすいです。
しかし、スワップフリーの銘柄を選ぶことで、この問題を避け、取引戦略に集中できます。
加えて、KIWAMI極口座の狭いスプレッドは取引コストを抑えることも可能です。
両建てをするならKIWAMI極口座を使って取引しましょう。
XMで両建て取引を行う際の注意点
両建ては非常に効果的な戦略ですが、以下の点には注意しておく必要があります。
それぞれ詳しい内容を確認していきましょう。
スワップポイントに注意
XMでは、ポジションを一日以上保持すると、通貨ペアの金利差に基づいた「スワップポイント」という調整損益が毎日加算されます。
XMが提供するFX通貨ペアの中には、マイナスのスワップポイントがプラスのスワップポイントよりも大きいものが多いです。
そのため、そういった銘柄で両建てポジションを長期間持ち続けると、スワップポイントによる損失が生じることがあるので注意が必要です。
相場が乱高下している時の両建てに注意
両建て取引では、売りと買いの両方のポジションを同時に持つため、もし上手くいかない場合、損失が2倍になるリスクがあります。
特に、経済指標の発表などで市場が急激に動く時は、両建て取引による損失が大きくなり、ロスカットに至ることも少なくありません。
安定した市場では両建て取引にメリットがありますが、市場が不安定な時はリスクが伴います。
XMで両建て取引を行う際は、市場が比較的安定しているときでも、常に市場の動向を注意深く監視することが重要です。
XMの両建てに関するよくある質問
「XMの両建て」のまとめ
本記事では、XMでの両建て取引のルールとそのメリット、おすすめの口座と手法について詳しく解説しました。
XMでは同一口座内での両建てが可能であり、証拠金が0円になるなどの利点があります。
また、リスクヘッジや課税タイミングの遅延など、様々な戦略を実行できます。
しかし、スワップポイントや市場の乱高下には注意が必要です。
XMで両建て取引を行う際は、これらのポイントを念頭に置き、賢く取引を進めましょう。